京都市北区にある圓通寺。 霊峰比叡山を真東に見る位置に後水尾天皇の命で造られた枯山水の平庭を前に座って借景比叡山を見ていると、不思議なことに160センチある垣根の高さがものすごく低く見えてきます。 立ち上がって庭を南北に移動してみると、確かに背丈ほどある高い垣根なのですが、雄大な比叡山を借景にした途端、垣根の高さが全く気にななくなるのです。 視界を遮る物が消えて、遠く比叡山に思いが馳せるのです。 私たちは普段物事を見るときに、つい目の前のことに囚われてしまい、本来目指す場所や方向が何かに遮られて見えづらくなってしまうことが多々あります。 そんな時こそ、自分の立ち位置を少し変えて、遠くを見ることに意識を集中してみると、目の前に立ちふさがっている垣根が気にならなくなるのかもしれません。 要ははっきりと遠くが見える場所に立てるかどうかです！ 霊峰比叡山を借景にして四季の美しさを表現したこの御庭の立ち位置から、人生の立ち位置を教えていただきました。