「能は長い和歌」能面が語りかけてくるもの
京都大学ELPの授業で京都御所の西向いにある金剛能楽堂に伺い、「能楽金剛流二十六世宗家」
金剛永謹氏より、能面を通して、世界最古の演劇「能」の魅力についてお話を伺いました。
その内容を少しご紹介いたしましょう。
★「能」は長い和歌である
★現在能の舞台で使われている能面は600年前「室町時代」に作られたものが多く、
他の時代に比べて、作り手の「熱」が感じられる。
特に秀吉が能をこよなく愛したことで、消滅することなく今での多くの能の演目が残っている。
★能面は非対称に作られていることで、角度や向きによって「喜怒哀楽」が表現される。
これが左右対称に作られていればお人形のようになり、人間の感情が表現できない。
★「面」は神様のよりどころ。また「悪」を寄せ付けないために人は面=仮面をつける。
「仮面」は世界中に見られるが、世界中で最も仮面が進化したものが「能」である。
★能面は「能」の生命であり能役者にとっては、能の精神を教えてくれる師匠のようなもの。
室町時代に作られた600年前の能面など数々の能面を間近で拝見させていただき、
伝統を守るだけではなく、大学の授業や海外公演をするなど世界中にその魅力を発信し続け、
日々前進し続けていらっしゃる金剛永謹氏の「あり方」に、「宗家」として覚悟、探究心、
そして何よりも一人の人間としての優しさと誠実さを深く感じました。
(帰路につくとき、玄関の外まで終始笑顔でお見送りをしてくださいました)
そして、謡「熊野」の練習の後に、なんと大変光栄なことに能舞台に上がらせていただきました。
今までに能の舞台を拝見したことは数回あるのですが、まさか自分がその舞台に
自分が上がらせていただけるとは・・・想像もできませんでした。
まさに最高の幸福感を味わせていただき、ご一緒にお写真も取らせていただきました!!
能の所作、姿勢、構え、足運び、間の取り方など・・・茶道にも似たものが数多くあり、
改めて師匠からその型を学び、守破離を繰り返し、そぎ落とされてきたものが、日本の
伝統文化として生き続けているのだと痛感しました。
フランス人は「能」に対する知見が高いというお話を伺い、私自身が日本人でありながら
日本文化を語れない・・・この精神性の低さに情けない思いもしているのですが・・・
今回の学びの機会を通して、また何度もこの能楽堂に足を運んでみようと思いました。
金剛能楽堂では定期能も開催されています。
是非、皆さんも能楽堂に足を運んでみませんか?
日々の生活やセミナー等で出会った人との素敵なコミュニケーションの一コマをお伝えしています。
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