2013.10.16
全国高校ラグビー優勝監督もコーチングのスペシャリスト!
2012年全国高校ラグビー大会で見事優勝した「常翔学園高校ラグビー部」監督の野上友一先生の講演を伺ってきました。タイトルは「こころをつかむコーチング」
野上先生はコーチングのコミュニケーションで生徒の心をつかみ、優勝へと導いていたのです!
コーチングに注目されたのはニュージーランド遠征でみた、指導者と生徒との立ち位置の違いだったようです。
日本の場合は生徒と監督はどうしても上下関係になり、「自分が教えたとおりするのがいいプレー」「自分が教えたとおりにやれ!」という思いが強かったそうです。
ところがニュージーランドでは全く違いました。
指導者が生徒に何かをさせるのではなく、「コーチとプレーヤー」という対等な立場で選手のやる気や自主性、行動力を引き出すコミュニケーションを交わしていたのです。
監督コーチが一方的に指示を出すのではなく、基本的なことさえ身についていれば後は本人たちの自習性に任せるというスタンスの違いに驚いたそうです。
ラグビーを思いっきり楽しむ気持ちを大切にして、ゲームを楽しみながらさらにスキルアップする中で選手が自分でやり方を考え工夫し結果につなげる活き活きとしたプレーをしていたのです。
ニュージーランドでは「うまくいくのがいいプレー」つまり結果につながったプレーがいいプレーであり、指導者が教えたとおりのプレーをすることではなかったのです。
試合中は予期せぬことの連続です。予想通り、「教えられた通り」になることはないのです。
ハプニングの連続の中で、選手が自分でアイディアを出しあってやり方を編み出し、自分で考えて決断し行動するためには、生徒の自由な発想とプレーを認める指導者の大きな器が必要です。
つまり「選手を信じて任せる」コーチングのコーチの立ち位置です。
つい教えたくなる、教えたとおりにしないと腹が立つからまた叱責する・・・という悪循環で結果が出るはずがありません。先生はそれに気づいたのです。
されに野上先生の素晴らしいところは負けた試合の後で生徒に自分の正直な気持ちを伝えたことです。
「俺は考え違いをしていた。俺の言うとおりにやってもうまくなれないぞ!これからは好きにやっていいぞ!」
最初は戸惑っていた選手たちも、好きにやらせてもらううちに勝ちだしたのです。
先生に教えてもらった基本的なパスのやり方に加えて、自分たちが新しいパス回しをやりだしたのです。
しかもグランドの彼らはゲームを楽しみ、笑いながらやっているのです!
それを見た時、「ラグビーはゲームだ。楽しむことがまず先なんだ」ということに気づかされたそうです。
同時に「選手はグランドではへらへらしたらアカン!」という先生の思い込み「パラダイム」も覆されたのです。
ニュージーランドでは試合前のグランドでロックバンドの生演奏があり、選手や観客の気持ちを高めていました。もっと自由でいいんだ!ウオーミングアップに音楽を流してもいいんだ!
先生の中にあった「厳しさこそ勝つための必需品」という価値観がパラダイムシフトしたのです。
生徒に対する 自分の関わりあい方を変えて、選手がやる気になり活き活きとグランドを走り回る姿を見て、先生は「好きになられような人に自分がなったらいいんや!人を変えるのは無理、でも自分を変えると楽!」先生自身の気持ちも楽になったのです。 それが選手たちに伝わったのでしょう。
自分を変えたら相手も変わったことを身を持って体感したのです。
「好きになってもらえる人になろう!! 何でも自由に話してもらえる人になろう!!」
その結果、先生は生徒の心をつかみ全国NO1という結果を生徒と一緒に手にしたのです。
コーチングを一番使ってほしいのはやはり大人、指導する立場にいる人です。
その人が新しいコミュニケーションのやり方に気づき、少し自分のコミュニケーションに変化球を混ぜることで、相手がガラッと変わり始めます。
特にスポーツの分野は結果が明確についてきます。
東京オリンピックが決まり、ジュニアの育成に注目が集まっている時だからこそ、是非一人でも多くの監督コーチそして保護者にコーチングを知ってもらい、現場で試していただきたいと思います。
終始にこやかに軽快な関西弁でお話をしてくださった野上先生のお話に、すっかり引き込まれてしまいました。まさに「好きになってもらえる人」そのものでした。
ラグビーのシーズンが始まります。
「常翔学園高校ラグビー部」の試合を是非皆さんもご観戦ください!
日々の生活やセミナー等で出会った人との素敵なコミュニケーションの一コマをお伝えしています。
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