近年のサウナブームで、老若男女を問わずサウナを利用する人が多くなりました。でもサウナ初心者は、「周囲に迷惑をかけているのでは？」と不安になることもあるでしょう。そこで今回は、正しいサウナの入り方と、守るべき最低限のサウナマナーをご紹介します。

正しいサウナの入り方

1. まず体と頭を洗う
2. 水分を軽くぬぐってサウナに入る
3. サウナから出たら水風呂に入り、この流れを繰り返す
4. 休憩する
   
   

頭と体は、サウナに入る前に洗っておくのがエチケットです。皮膚に汚れがついていると、汗をかきづらくなるのでサウナの効果も上がりません。

全身を洗い終わったら、体を軽く拭いてからサウナに入ります。サウナの熱気と乾燥で髪の毛を傷めてしまうことがあるので、濡れタオルで髪を包んでおいたり、市販のサウナハットなどを使用するのがおすすめです。

サウナに入る時間は、1回6～12分が目安です。サウナの内部は座る場所が階段状に作られていて、位置が高いほど体感温度が高くなっています。くれぐれも無理をせず、「気持ちいい」と感じる高さに座ることが大切です。

サウナから出たら、かけ湯をして体の汗を流してから、水風呂に入って体を冷やします。水風呂が冷たすぎると感じるようなら、手足に水をかけて体を慣らしてから入りましょう。水風呂に入る時間は1～2分程度です。

水風呂から上がったら、体を軽く拭いて、再びサウナに入ります。このサウナから水風呂の流れを2～3回繰り返しましょう。

最後に水風呂から出たら、体を拭いて10分ほど休憩します。外気浴ができるようなスペースがおすすめですが、ない場合は浴槽の縁に腰かけてもいいでしょう。サウナでたっぷり汗をかいているので、水分補給もお忘れなく。

サウナで気をつけたい最低限のマナー3つ

マナー1：アルコール摂取後のサウナは絶対NG

アルコールには利尿作用があるため、飲酒後は脱水症状を起こしやすくなります。酔って感覚も鈍っているため、脱水症状の兆候があっても気づきにくいのです。そのためお酒を飲んでのサウナ利用は、絶対におすすめできません。

飲酒していなくても、食事の直後のサウナは控えたほうが賢明です。食後は消化器官に血液が集まっているため、サウナの熱気で脳貧血を起こすことがあります。反対に血流が促進されることで、せっかく消化器官に集まっていた血液が散らされ、消化器の働きが鈍ってしまうことも。食後は1～2時間程度、時間を空けてからサウナに入りましょう。

サウナマナー2：汗をサウナ室に落とさない

サウナは多くの人が利用する公共の場です。座る場所を汗で汚さないよう、タオルを敷いた上に座りましょう。中には、あらかじめサウナマットが敷いてある施設もあります。その場合は、マットの上に直に座ってかまいません。

サウナ室内で汗をかいたら、自分のタオルでぬぐいます。ただ、タオルが汗で湿ったからといって、サウナ室内で絞るのは厳禁です。誰もが清潔にサウナを利用できるよう気を配りましょう。

サウナマナー3：汗を流さず水風呂に入る

サウナの後に汗を流さず水風呂に入ることで、水風呂の衛生面が悪化してしまいます。そのため、必ず汗を流してから水風呂に入りましょう。また、汗を流すときはなるべく周りに水しぶきが飛ばないよう、しゃがんで水をゆっくりかけることがポイントです。

また、最低限のルールとして守りたいことは『水分補給』です。サウナでは、思った以上に体の水分が失われます。脱水症状を引き起こさないためにも、サウナの後はもちろん、サウナに入る前にもしっかり水分補給をしておきましょう。

加えて、『必要以上に我慢しない』ことも重要です。「熱いのを我慢するのがサウナだ」と思っていませんか？ たしかにそういう一面はありますが、我慢をしすぎると脳貧血や脱水症状のリスクが増してしまいます。必要以上に我慢をせず、無理だと思ったらすぐにサウナを出ましょう。

サウナは体に刺激を与えるからこそリラックスできる

サウナは、単に熱い場所にいることではなく、サウナの熱と水風呂の冷気で体に刺激を与えてから、外気浴などで休憩することで、脳は「危機的状況を脱した」と感じて急激にリラックスします。いわゆる『温冷交代浴』といわれるもので、それがサウナで『整う』と言われている現象です。『整う』とは交感神経から副交感神経への切り替えが行われることです。

刺激を与えすぎると、整う前に体が壊れてしまいます。気分が悪くなったり、倒れたりということになったら、周囲の人やサウナ施設も大きな迷惑を被ることでしょう。くれぐれも無理をせず、マナーを守って、健康的にサウナを利用したいものです。