昨日は敦賀短期大学で、『自己表現力を鍛えるコミュニケーション講座』をさせていただきました。
『鍛える』というタイトルとは裏腹に、笑いあり、励ましあり、夢を語ったり、自分の気持ちを目の前の相手を通して見つめてみたり・・・若干困惑もあり、クラスメートが創り出すコミュニケーションの空気は、優しさと笑顔で溢れていました。

ある学生は、就職準備に自分の長所が書けなかったようですが、いいところ探しワークの中で沢山の『きらりと光るところ』が見つかったようで『これでバッチリ自分のいいところを自己ＰＲにかける！』と弾んだ様子でした。
また『友達から俺のいいところを一杯言ってもらえて、めちゃ嬉しい！！』『バイト先の人から笑顔がいいね！と言われて嬉しかった』などマイクを持って自分の長所を堂々と発表してくれる学生もいました。

 その中で一人うつむき加減のＡ君が気になっていました。
どうやらペアワークの相手をしているＢ君も困っている様子・・・
『自分のいいところが見つからないんで…』と小声でこたえるＡ君に対して『おまえは一杯いいところあるぞ！』と励ますＢ君。
すると突然Ａ君が『いざとなったらやる！！そこがいいところ！』と答えました。
いざとなったらやる人ってものすごく素敵だね！！わたしとＢ君が口をそろえて言うと、『うん』と頷いたＡ君。
私とＢ君が『Ａ君はいざとなったらやる人だ！！』と確信した瞬間でした。

 この人はこうに違いない。どうせ言っても無駄。こう答えてほしい。
大人が子供に対して持ってしまいがちな視点です。
私たち大人も１０代や２０代の頃があったはずなのに、親になった途端、教える立場になった途端に、どうやら目の前の若者を『自分よりも未熟な人、教えてあげなければできない人』として、いろんなものを与えることに一生懸命になりすぎているようです。
Ａ君が答えてくれた『いざとなったらやる人だ！！』という答えは、Ａ君を励まし、一杯いいところがある人だと信じているよ・・・とＡ君が自分で気づくことを待ってくれたＢ君が引き出してくれたものです。Ｂ君がＡ君を必ずやる人だと信じて待っていてくれたからこそ、Ａ君は自分の中の深いところにあった自分のいいところを見つけて言葉にすることができたのでしょう。
まさにこれこそが本当の意味でのパートナーシップです。
そのパワフルさを見せてくださった敦賀短期大学の皆さん。本当にありがとうございました。
また次回、お目にかかれる日を楽しみにしています！！